All Songs Written by Motoharu Sano | ||
| 01 冒険者たち −Wild Hearts− 『Cafe Bohemia』(1986.12.1発売)収録 「DOWN TOWN BOY」の続編的なナンバー。現代社会で「個」が「個」であり続けることの困難を歌っている。純粋にアウトサイダーであることが極めて困難(または不可能)な現代において、元春は「個」の自覚がどこに行き場を求めればよいのかを探りつづけるが、その明確な答えは(当然ながら)得られることはなく、ただ「誰れもが心に」抱えた「見知らぬ夜明け」とつき合いつづける「覚悟」だけが表明されていく。 | ||
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| 02 シュガータイム −Sugartime− 『SOMEDAY』(1982.5.21発売)収録 名作アルバム『SOMEDAY』のオープニング・トラック。この脳天気な歌詞は、当初のものから書きかえられたヴァージョン。現在は当初の歌詞を知るすべはないが、やたらヘヴィーな内容だったらしい。プロデューサーの伊藤銀次が、とにかく元春を成功させるために書きかえを指示したが、翌日、新しい歌詞を見て、あまりの変貌ぶりに今度は銀次自身が戸惑った。 元春の好きな60's、70'sのポップ・ミュージックをミキサーにかけたような作品。まずイントロは、1970年代のグラム・ロック・シーンを代表するアーティスト マーク・ボラン率いるT.REXのテイスト。「Dance Dance Dance」や「Dream Dream Dream」のAメロ・パートは、ビーチ・ボーイズ。「何かが間違っているのさ…」のパートは、ダリル・ホール&ジョン・オーツに代表されるフィラデルフィア・ロック&ソウル。そしてラストの「Mad Love」のシャウトは、ビートルズにインスパイアされた構成。ていうか、ある意味パクっています。 | ||
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| 03 悲しきレイディオ −Radio− 『Heart Beat』(1981.2.25発売)収録 このナンバーも「Sugartime」同様、ロックの先人たちへのオマージュにあふれている。曲中に登場するジーン・ピンセット、チャック・ベリー、リトル・リチャード、バディ・ホリーの4名は、まさにロックの創始者といっていい元祖ロックンローラーである。 かすれた元春のヴォーカル・テイクが気に入っています。ライヴではこのナンバーを基調に“The HEARTLAND”のメンバー紹介とオーディエンスへの感謝を表すパートがエディットされていて、初期のライヴ・パフォーマンスでは、非情に重要なナンバーとしてセットされていました。「ポケットには今にもこぼれ落ちそうなハートブレイク」というパートで、元春が自分のポケットをまさぐるユニークなパフォーマンスもファンの間では人気です。 | ||
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| 04 アンジェリーナ −Angelina− 『Moto Singles 1980-1989』(1986.12.1発売)収録 デビュー・シングル「アンジェリーナ」のスロー・ヴァージョン。このアレンジは、伝説的なヴィジターズ・ツアーで披露されて話題となったスロー・ヴァージョンのスタジオ録音で、後にアルバム『Moto Singles 1980-1989』に収録されている。 元春が、日本人で初めてヒップホップやラップにコミットしていたころ、リアレンジされ演奏されていたヴァージョンです。いま聴くとファンクな雰囲気が醸しだされていてシュールに仕上がっていますが、当時、ライヴでアンジェリーナでノリノリになりたかったファンには「何じゃこりゃ!!」って感じでした。 | ||
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| 05 ブッダ −BUDDHA− 『GRASS−The 20th Anniversary Edition's 2nd』(2000.11.22発売)収録 2000年1月にリリースされたデビュー20周年記念ベスト盤『The 20th Anniversary Edition』の続編として企画されたベスト・アルバム『GRASS』に収録されている、1987年当時に“The HEARTLAND”とともに録音していた未発表曲。 この楽曲をベースに「Happy End」というナンバーを完成させて、1992年にアルバム『sweet16』に収録しています。この時点では完成度が低かったとの判断でしょうが、僕的にはこの「ブッダ」のほうがデキがいいと思います。このラヴソングか何かわからない楽曲のタイトルが、どうして「ブッダ」なのでしょう?謎です。元春は手塚治虫さんの大ファンですから、漫画「ブッダ」と関係があるかも…。 | ||
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| 06 インディビジュアリスト −Individualists− 『The 20th Anniversary Edition』(2000.1.21発売)収録 デビュー20周年記念アルバム『The 20th Anniversary Edition』に収録するにあたって、“The HOBO KING BAND”によって、新たにレコーディングされたヴァージョン。オリジナル・テイクは、アルバム『Cafe Bohemia』に収録されている。 オリジナル・ヴァージョンが発表されたときは、“スタイル・カウンシル”の「インターナショナリスト」のパクリじゃないかとの酷評がありましたが、よりスカの要素を強調した今回のリアレンジでその疑念を一掃しました。セッション・レコーディング、要するにバンドが「せーのっ」で一発録りする方式ですが、“The HOBO KING BAND”の演奏レヴェルの高さには驚きます。 | ||
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| 07 ニュー・エイジ −NEW AGE− 『VISITORS』(1984.5.21発売)収録 アルバム『VISITORS』収録のオリジナル・ヴァージョンの中間部を編集したショート・ヴァージョンで、この『vol.5』に収録したのは、アルバム『The 20th Anniversary Edition』に収録されているリミックス・ヴァージョン。 僕のなかでの元春フェイバリットのひとつ。元春のことだから、曲のヒントがどこかにあったと思われますが、いまだにこのナンバーに似た楽曲を耳にしたことがありません。元春自身もこのナンバーはお気に入りのようで、毎回ライヴではアレンジを変えて演奏しています。でも、このオリジナル・ヴァージョンが一番カッコイイと思います。 | ||
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| 08 楽しい時 −Fun Time− 『FRUITS』(1996.7.1発売)収録 ご機嫌なポップスに仕上げられたこの作品は「ビートたけしのTVタックル」のエンディングテーマとして用いられた。オリジナル・ヴァージョンはアルバム「FRUITS」に収録。『vol.5』に収めたのはシングル・ヴァージョンで、アルバム・ヴァージョンで曲終了後に即興で演奏しているバンジョーのパートが省略されている。 元春のポップな面が素直にでているナンバー。しかし、チョー楽天的かといわれれば「No!」で、「うれしい」ということばの対語として「せつない」ということばが使われています。曲の最後を飾るのも「せつない」ということば。いまの世の中、勇気をだしても伝えられないことの方が多い。そして楽しい時も知らないうちに過ぎていく。そういった日常の中で、どれだけ楽しい時を過ごしていくのか、それが重要だということを歌っている気がします。考え過ぎか? | ||
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| 09 アイム・イン・ブルー −I'm in blue− 『SOMEDAY』(1982.5.21発売)収録 当時の言いまわしでいえば、アルバム『SOMEDAY』のB面の1曲目を飾ったナンバー。都市に暮らすヤング・ジェネレーションのメンタリティを素晴らしい感性で捉えている。沢田研二や吉川晃司もカヴァーしている佳曲。 メロディ・ラインはポップなフィーリングなんですが、内容はかなりヘヴィー。主人公は失恋したのかどうかわからないですが、とにかくギリギリの状態に追い込まれていてヘトヘトになっています。しかし、誰の力(彼女の愛さえも)も借りずに、「Don't worry=No Damage」と宣言して、自分ひとりで乗りきろうと踏ん張っている。そんな前向きソングです。高校生のころ、そんな内容とはまったく関係なく、とにかくフェイバリットにしていたナンバーです。 | ||
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| 10 シェイム(君を汚したのは誰) −Shame− 『VISITORS』(1984.5.21発売)収録 デビュー以来の前3作のアルバムが、街のなかにおけるヤング・ジェネレーションについて歌いあげたものであるとするならば、ニューヨーク帰りの衝撃的作品アルバム『VISITORS』は、街は都市へと世代は個人へと置き換えて表現するようになった第一歩であり、元春のなかにある都市と個人という概念を語りはじめる役割をはたしている。なかでもこの「Shame」の世界は、まさにその典型であり象徴である。 やっぱり戦争(イラク戦争)が勃発すると、さまざまなことを考えます。理事長の部屋で「戦争について考える」というトピックスで紹介したナンバーです。ソング・ライティングの手法としては画期的で、あの桑田佳祐をして「やられた!」と言わしめた作品。 | ||
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| 11 ウィークリー・ニュース −WEEKLY NEWS− 『The Circle』(1993.11.10発売)収録 ストレートな歌詞が物語るように、1991年勃発の湾岸戦争にインスパイアされて書かれた楽曲。当時の油にまみれた水鳥の映像は、元春をはじめとする多くの表現者にショックを与えた。 これもバグダッド陥落後に理事長の部屋で「戦争について考える」の第2弾として紹介したものです。「戦争は悪だ」という認識は、どんな社会体制にいる人も、どんな宗教を信奉している人も、どんなイデオロギーをもっている人もわかっている最低限のグローバル・スタンダードです。それでも起こってしまう現実をしっかりと見据えて、ジョン・レノンを気取って、単純に「No War」と叫ぶだけでなく、戦争について真摯に考えるべきだと思います。 | ||
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| 12 カラスのジェネレーション −Glass Generation− 『Heart Beat』(1981.2.25発売)収録 アルバム『Heart Beat』のオープニングを飾るこのナンバーは、全共闘世代(もしくはプロレタリア世代)との決別を高らかににコミットメント。安定した大衆消費社会の下で見いだしにくい新しい世代 (昭和30年代生まれ)の居場所を、都市生活のなかに確保しようとする、初期の基本的な姿勢が強く打ちだされている この曲のエンディングで元春は「つまらない大人にはなりたくない」とシャウトする。当時、ティーンエイジャーだった僕にはストレートに突き刺さるフレーズでした。元春クラシックスの代表作のひとつであることはいうまでもありませんが、いまだに輝きを失っていません。とにかくながながと解説する必要もない名曲中の名曲です。 | ||
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| 13 スウィート16ー −sweet16− 『sweet16』(1992.7.22)収録 「sweet16」というタイトルには、ティーンエイジ・ミュージックとしてのポップの原点に立ち返るという意味あいがうかがわれ、元春が再び街に身を置くことによって情況とコミットしていこうとする姿勢、自らの新しい活動を模索していこうとする姿勢を印象づけている。「壊れたバイクを直し」「世界地図を広げて」「すぐにでかけるぜ」と歌われており、元春の精神状態が、内省的なメンタリティから外に向かい始めたことがわかる。 この『vol.5』の3曲目にセットしたナンバー「悲しきレイディオ」に登場するバディ・ホリーへのオマージュにあふれたナンバー。間違いなく「Peggy Sue」を意識しています。元春持論の「ポップなラヴソングは十代のもの」を地でいくナンバー。 | ||
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| 14 ヴァニティ・ファクトリー −Vanity Factory− 『SOMEDAY』(1982.5.21発売)収録 アルバム『SOMEDAY』に収録されている元春クラシックスのなかのロックンロール・ナンバー。発表当時はあまり演奏されていなかったが、“The HOBO KING BAND”とセッションするようになってから、アレンジを変えてライヴでのセット・リストに入ってきた。 バック・コーラスが、誰だかわかります? なんとジュリーこと沢田研二先生です。やっぱり存在感がありますよね。ジュリーは無名時代の元春を見いだし、自身のアルバム用に元春に多くの楽曲を依頼していました。このことはあまり知られていません。曲の冒頭に無意味としか思われないピアノのソロがフィーチャーされていますが、ジュリーっぽさをだすために、むりやり入れたんでしょうね。 | ||
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| 15 約束の橋 −The Promised Bridge− 『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』(1989.6.1)収録 「約束の橋」はTVドラマ「二十歳の約束」の主題歌となったため、ミックスを変えて再リリースされた。ボーカル・トラックは新たに録音し直されている。この 『vol.5』に収録したヴァージョンはアルバム「No Damage II」に収録されている後発シングル・ヴァージョン。 最初この曲を聴いたとき、これは売れるに違いないと思ったけれどチャート・アクションはそれほどでもありませんでした。詞の内容はこのあたりの元春の曲としては過去にちかく、「約束」という言葉に象徴されるようにイノセンスをテーマにしていると思われます。 | ||
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| 16 こんな素敵な日には −On The Special Day− 『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』(1982.3.21発売)収録 このナンバーは、当初アルバム未収録。後にアルバム「No Damage」他に収録された。 1980年代の都市に暮らすヤング・ジェネレーションのデート風景がよみがえってきます。楽曲の素材は、ビリー・ジョエルの「イタリアン・レストランで(SCENES FROM AN ITALIAN RESTAURANT)」をモチーフにしたかと思われますが、メロディ・ラインおよび歌詞の内容は、まったくの元春オリジナルです。 | ||
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| 17 だいじょうぶ、と彼女は言った −Don't think twice it's over− 『Stones and Eggs』(1999.8.25発売)収録 このところ完全にヒット・チャートから見放されている元春が、20周年アニバーサリーに向けて放った久々のシングル。シンプルな言葉とシンプルなメロディ、そしてシンプルなアレンジ。Dr. kyOnのアコーディオンをフィーチャーさせて、さらにその趣に拍車をかけている。 自分としてはいい曲だと思いますが、やはり地味さは拭えません。チャートを賑わせるとは思いがたいですよね。若い世代を揺さぶる曲を書く自信があるというのならそろそろ見せてほしいのだけどれども…。これも「ビートたけしのTVタックル」のエンディング・テーマとして使用されていました。 | ||
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| 18 経験の唄 −Song of Experience− 『FRUITS』(1996.7.1発売)収録 このナンバーは、メジャー・リーガー野茂英雄選手がでている生命保険会社のイメージ・ソングとして、TVでオンエアされた。繰り返し繰り返される「君への想い」。少し重く感じてしまうこのリフレインこそ最後の言葉、「君への愛」を貫き通せるだけのものとなっていくのだろう。 マイナーな曲ですが、こんな楽曲をかくのは元春だけだと思います。タイトルの「経験の唄」には、どのようなメッセージが込められているのでしょうか。今回は、イラク戦争の真っ只中で選曲をしたため、なぜかこんな感じのテーマの曲を多く選んだような気がします。 | ||
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